今夜、ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会を聞いた
2014-03-19


 19日夜、フェスティバルホールでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会を聞いた。
最前列で聞くために8ヶ月以上前の売り出し日にサイトで座席指定とチケット申し込みをしたのだが、それでも前から2列目になった。前から2列目でも中央に近い席。フルオーケストラが舞台に上がるともう満杯状態。楽団員の椅子が舞台のヘリから落ちそうなほど舞台が狭い。おかげで2列目でも、かぶりつきで生音を浴びるように聞けるし、手前のバイオリニストの各種奏法の違いが手に取るように分る。舞台を少しだけ見上げるような視角になり、手前の第1バイオリン、第2バイオリンが壁になって後は見えない。一段高い位置に居るファゴットやチューバやティンパニー、ハープなどが隙間から少し見える。近すぎるゆえの欠点か。

 チケットを早々と買ったのはゲヴァントハウス管弦楽団の演奏だということ。子供の頃、家にあったレコードがゲヴァントハウス管弦楽団演奏のベートーヴェン「英雄」だった。1835年にはメンデルスゾーンがゲヴァントハウスの楽長に就任している。

 前半は五嶋みどりがソリストとしてゲヴァントハウス交響楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調を演奏した。天才少女登場と話題になった五嶋みどりも随分と年を取った。数メートル先で五嶋みどりが繊細に鋭くため息をつくように音をつむぎだしていく。自宅に招いて演奏を聴いているような距離感。やはりかぶりつきの席はいい。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調はクラシックの定番中の定番。私も子供の頃レコードで数十回は繰り返し聞いた曲だ。

 後半はショスタコーヴィッチの交響曲第5番ニ短調。私の勝手な感想だが、始まると暗い戦雲が広がってくるような不安な気持ちが高まる。演奏を聞いていると、ロシア・アヴァンギャルド絵画が次々と頭をよぎる。巨大な工場で多数の大きな機械がうなりを上げて動いている。その速度がどんどん上がっていく。一転して静けさが訪れる。最後に勝利へ向かって進軍が始まる。輝かしい勝利、しかし勝利の傍らで街は廃墟となり悲しみが残る。この曲を聴くといつもレニングラード攻防戦の情景が浮かんでくるのだ。
[その他]

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